活用事例 その7

2014/07/25

福島県新地町様

今回ご紹介するのは、福島県新地町の駒ヶ嶺小学校の授業風景です。社会科の授業で、三年生の児童たちが、地域教材を副読本にして授業に取り組んでいるところです。

駒ヶ嶺小学校の授業風景 駒ヶ嶺小学校の授業風景

副読本の編纂

地域教材は、郷土の文化、伝統、生活、慣習などをテーマに、学校の先生方が委員会を組織し、資料の収集や編纂を行っています。

町並みを撮ったスナップショットや、歴史的な建造物の調査、まちで働く人々へのインタビューや、郷土物産に関する統計資料など、地域教材を構成する要素のひとつひとつが町の顔を表しています。

まさに地域に一冊だけの副読本だからこそ、思い入れも深いものです。新地町では二年に一度、地域教材の改訂が行われています。「改訂」と一口に言っても、資料の変更があっただけではありません。新地町の特色は、何と言っても学校のICT化がとても進んでいるところです。平成24年度から地域教材をデジタル化し、平成26年度はEPUB形式が採用されました。

絆プロジェクトに選ばれて

新地町のICTへの取り組みの一部をご紹介させていただきますと、「絆プロジェクト」の指定校に選定された各小学校(駒ヶ嶺小学校、新地小学校、福田小学校)には、校舎内の通信環境やICT機器が整備されました。

尚英中学校は、平成23年度から「学びのイノベーション」、「フューチャースクール推進事業」の指定校に選ばれており、町を挙げてICTを活用した教育方法の実践や研究に取り組んでいます。平成26年度には、「ICTを活用した教育の推進に資する実証授業」の指定校に選ばれており、ICTを活用した授業を公開していく予定とのことです。

さて、子どもたちの手元にもっと近づいてみましょう。

iPadで地域教材を閲覧 iPadで地域教材を閲覧

地域教材のカスタマイズ

子どもたちが操作しているのは、iPadです。もちろん、ただ提示しているだけではありません。地域教材に掲載された地図上には、よく見ると赤いマップピンが配置されています。マップピンをタップすると、ポップアップで写真が表示されます。操作内容をスクリーンショットで見るとこんな感じです。

マップピンが配置された地図 マップピンが配置された地図

上の画像が、マップピンが配置された地図です。タップすると…、

ポップアップで写真が表示 ポップアップで写真が表示

こんな風に、地域の写真が表示されます(写真は、新地町の福田諏訪神社へ続く道を撮影したものです)。新地町の「地域教材」には、このような仕掛けが随所に隠されてます。他にも、タップすると地図上に地図記号や特産物の要素が追加されたり、地域ごとの特産品が表示されるコンテンツなどが搭載されており、子どもたちは、iPadを操作しながら学習を進めることができます。今回の授業でも、ポップアップのところがとくに盛り上がったそうです。

また、子どもたちの操作は、地域教材のなかで完結しています(デジタル化した地域教材は、電子書籍ビューアのiBooksで閲覧しています)。複数のアプリが起動したり、タブが増えたりするわけではないので、集中して授業に取り組むことができます。

iPadを操作する子どもたちの視線は真剣そのもの。

拡大やポップアップといった提示機能は、元来は先生が教室内で効果的に資料を提示するための役割が主でしたが、タブレットの普及によって、子どもたちが自身の興味や関心を表現する手段としても欠かせないものになってきました。指導者の板書活動から学習者の視覚体験へと、デジタル化の用途は広がっています。

新地町の社会科副読本改訂委員会では、ICT化による相互的な学習環境の構築を前提に、資料を効果的に提示するための方法を考案されてきました。弊社も、企画段階から委員会の活動に関わらせていただくことによって、授業を行う先生方の工夫やアイディアをたくさんいただくことができました。また、特別な研究授業ではない普段の授業で、さらりとICT活用が行われているのは、学校のICT化に積極的に取り組んでこられた新地町ならではの光景だという感想を持ちました。今回、晴れて「わたしたちのまち 新地」が授業でお披露目されたことを、とてもうれしく思います。